vol.177
キッチン ポム・ドゥ・テール
宮本敏さん
Title
「お客さん一人一人の顔が見える『規模感』がちょうどいいんです」
座数20席のこぢんまりとした店内。カウンター越しに見える厨房では、手際よく料理を仕上げる店主の宮本敏さんの姿が。「厨房から店内が見渡せる、このくらいの規模が僕にとってはちょうどいいんですよ」と柔和な笑顔で語ります。1998年の開業以来、1人で厨房を守り続け、現在はホール係の奥様と2人で切り盛り。調理の合間に、お客さんがおいしそうに料理を楽しむ姿を見たり、「おいしかったよ。ごちそうさま!」と直接声を掛けてもらえる瞬間が、何よりうれしいそう。そんなふうにお客さんとの距離が近いのは、小さなお店ならではでしょう。飲食業一筋の宮本さんですが、洋食を本格的に作り始めたのは、つくば市の病院内に作られた喫茶店を一任された時。「オーナーの計らいで、メニュー構成などお店に関することは、すべて僕の自由にさせてもらっていました。奇をてらったものより、親しみのあるメニューの方が受け入れてもらえるのでは、と考え、家庭料理でも人気の高い、ハンバーグやオムライスといった洋食をメインに置きました」。40歳で念願の独立。竜ヶ崎ニュータウンの開発が始まって間もない、まだ周囲には飲食店が少なかった頃に、自宅の近くに「ポンム・ドゥ・テール」をオープンします。同エリアで当時から続くお店は、現在では片手で数える程度となってしまいました。「僕ももう60なので、昔のようにはいきませんが(笑)。地元の方や、中には千葉からはるばる足を運んでくれるリピーターさんもいて。そんな方がいらっしゃる限り、頑張っていきたいですね」。